top of page

淵上正幸の日々建築漬け

Oka Architecture Design & Co.,Ltd.

2016年9月15日

モンパルナス・プロジェクト見学記

タイトル写真/若き日の詩人・小熊秀雄(Photo: Public Domain)


Appartement Montparnasse オープンハウスに建築ジャーナリストの淵上正幸さんがお越しくださいました。


かつて西池袋界隈の椎名町をはじめ、千早町、長崎、南長崎、要町周辺に貸し住居付きのアトリエが集まったいくつものアトリエ村が存在し、多くの芸術家が暮らし芸術活動の拠点としていた。このエリアを、詩人小熊秀雄は「池袋モンパルナス」と名付けた。これは1920年代、芸術の中心地であったパリ・モンパルナスをなぞらえたネーミングであった。
「池袋モンパルナス」から去ること30年有余、先代のオーナーはこの地に当時ではモダンな集合住宅を建てた。それからさらに50年の歳月が流れ、建物は老朽化した。磯崎新アトリエ出身の建築家、岡由雨子氏がデザインした集合住宅「モンパルナス・プロジェクト」はその建て替えであった。
パリ生まれの岡さんは同地で建築を学び、さらに磯崎新アトリエで修行を積んだ建築家。岡さんは本場のモンパルナスに当然慣れ親しんでおり、「池袋モンパルナス」へのノスタルジーをもつオーナー三原氏との接点はこの辺りにありそうだ。
さて先日、オープニングの内覧会に行くと、副都心線千川駅から徒歩数分、「モンパルナス・プロジェクト」は住宅地の街角に白いシンプルな体躯を横たえていた。緩勾配の切妻屋根が南北に長く延び、その下を主軸としての高い開放的なヴォールト天井をもつ天空通路が貫いている。あたかもパリ・モンパルナスのパッサージュに入り込んだかのような幻想に囚われるのは僕だけではないだろう。...

https://synectics.exblog.jp/26271274/

bottom of page